敷地内禁煙率64% 県内公共施設・学校、屋内は32%

 
県内公共施設喫煙状況

 県や市町村が管理する公共施設や学校(私立・国立除く)のうち、建物を含む敷地内禁煙の実施率(5月1日時点)は64.2%(1699施設)で、昨年同時期より4・9ポイント上昇した。

 県は調査年で施設数が異なるため単純に比較できないとしているが、受動喫煙防止対策の強化を目的に、7月に施行された改正健康増進法を前に禁煙割合が増えたと分析している。

 県が28日、公共施設の受動喫煙防止に関する実態調査結果を公表した。

 回答した2647施設のうち、屋内禁煙は32.3%(855施設)、敷地内と屋内を合わせた禁煙は96.5%(2554施設)に上った。

 昨年の調査結果から屋内禁煙は5ポイント、敷地内と屋内を合わせた禁煙は0.1ポイントそれぞれ下回ったが、県は昨年調査で「屋内禁煙」と答えた交番・駐在所(計214施設)が今回の調査で回答がなかったことを低下の要因に挙げている。

 交番・駐在所の状況を踏まえると屋内禁煙の割合は増えるため、県は受動喫煙防止の取り組みは着実に進展していると評価する。

 一方、建物内に喫煙所を設ける「分煙」は1.7%(45施設)、分煙施設の条件を満たさないなどの「不完全分煙」は1.5%(41施設)、「対策なし」は0.3%(7施設)。禁煙できない理由で最も多いのは昨年に続き「利用者の要望」だった。

 幼稚園から大学までの学校では、回答した994施設の97.8%(972施設)が敷地内禁煙を実施、屋内禁煙は1.7%(17施設)にとどまった。学校を除く公共施設では、回答した1764施設の46.3%(817施設)が敷地内禁煙で、48.4%(854施設)が屋内禁煙だった。

 7月の改正法施行に伴い、行政機関の庁舎や学校、病院などが敷地内禁煙となったため、今回の調査結果と現状が異なる場合もある。

 県は改正法が全面施行となる来年4月に向け、講習会で改正法の趣旨や喫煙の抑制を周知するなど、受動喫煙防止対策を推進する。県は来庁者への配慮を理由に7月から県庁屋外に改正法で認められた喫煙場所を設置した。県は来年の調査で喫煙場所の設置状況についても調べる方針。

◆県民の喫煙率22% 全国4番目、健康影響啓発 

 県民の喫煙率(2016年国民生活基礎調査)は22.3%と全国で4番目に高い。
 喫煙は健康指標の悪化につながる危険因子の一つとされ、県も禁煙対策に取り組んでいる。

 県民の喫煙率は、男性が34.4%で5番目に高く、女性は10.8%で6番目に高い。

 県によると、喫煙はがんや虚血性心疾患、脳血管疾患の発症など、健康に悪影響を及ぼすことが科学的に明らかという。

 県は、専門家を講師に受動喫煙防止に関する研修会を開いているほか、ホームページで喫煙の健康影響や禁煙外来を紹介し、禁煙を呼び掛けている。