乳歯外傷

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 X線など検査を

 Q 4歳の男の子ですが、2カ月ほど前に転んで、上の前歯2本をぶつけました。ぐらつきなどはないようなので様子を見ていたら1本が変色してきました。どうしたらよいでしょう?

 A 歯をぶつけた場合、抜けたり折れたりということがなくても、根の先付近で血管が切れたり、歯髄(歯の神経)に内出血が生じたりすることは少なくありません。このような現象は、歯がずれた時(脱臼)に多いのですが、ぐらつきや位置の移動が見られない場合(亜脱臼)にも生じることがあります。内出血だけの場合、当初、歯の色はピンク色になり、その後、褐色に変化しますが、しばらくすると血液成分が分解吸収されて、正常に色が回復します。血管が断裂してしまった場合、歯髄が栄養を絶たれ死んでしまいますが、この際も血液成分が分解し、歯が褐色に見えてきます。しかし、この場合は時間が経過しても歯の色は回復せず、変色したままとなります。この場合でも、歯髄に感染がおきなければ問題は少ないのですが、ぶつけた歯は、目立たなくても表面に亀裂が生じていることがあります。この亀裂から細菌感染が生じると歯髄壊疽という歯の内部が腐った状態となり、これが原因で根の先に膿瘍という病巣をつくります。病巣は大きくなれば、乳歯の根の近くにある永久歯の発育に悪影響を及ぼします。また、歯髄に感染が生じていない場合でも、歯髄が死んでいることが誘因となり、歯根の吸収が病的に早く進行してしまうことがあります。現在、歯の変色が生じているとのことですので、X線写真を含めた診査を行い、感染根管治療(死んだ歯髄を取り去り、歯の内部をきれいにする処置)の必要性など今後の対応法を検討していく必要があるでしょう。まず、歯科医院を受診してください。

(県歯科医師会)