「むし歯菌から守るには」 3歳までの口内環境重要

 

 むし歯のなりやすさは、3歳までの口の中の環境が大きく影響します。乳歯は生後6カ月を過ぎたころから生え始め、2歳半から3歳くらいで全ての乳歯が生えそろいます。その間おおよそ1歳半から2歳半が、むし歯の原因となるミュータンス菌が感染しやすい「感染の窓」と呼ばれている期間です。この期間にもっともむし歯菌が定着しやすくなります。

 生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にむし歯菌はいませんが、その後の成長の中で主に食事時の箸やスプーン、コップなど食器類の使いまわし、親からの口移しやかみ与えなど、睡液を媒介してむし歯菌に感染します。

 そもそも、むし歯はミュータンス菌が食事に含まれる糖を分解して、酸性の物質をつくって歯を溶かすことで発生します。ミュータンス菌に感染しただけでむし歯になるわけではありません。実際にむし歯になるかどうかは、甘いものの摂取頻度、食事の時間、また食後の歯みがきなどといった生活習慣が関わってきます。乳歯は永久歯に比べ未熟でやわらかく、また奥歯は溝が深いためむし歯になりやすいです。

 むし歯菌から歯を守るためにも、歯科医院でのフッ素塗布で歯自体を強くしたり、口の環境を整えるためにも2~3カ月に一度の定期検診で予防することをおすすめします。(県歯科医師会)