歯科領域のデジタル化 遠隔医療、実用化に期待

 

 医療DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、医療分野におけるデジタル技術を活用した変革のことを指します。医科領域ではさまざまなことがデジタル化され始めました。リモート診療、AI診断、ロボット手術、遠隔手術などの技術は、人手不足の解消にもつながる取り組みと期待されています。歯科領域でも、さまざまな取り組みが行われています。

 例えば、以前は、歯の詰め物やかぶせ物を作製する場合、歯の型を粘土のような材料で取り、石こうで模型を作製し、ろうで外形を作り、鋳型から鋳造していました。今も、そのやり方は変わっていないのですが、デジタル技術の進歩で、歯の写真を撮ることにより、模型をデジタル上で再現し、自動でかぶせ物などの外形を画像上で構築、材料となるブロックを削り出したり、3Dプリンターのような原理で作製したりすることができるようになってきました。リモート診療も、類似した医療はすでに行われておりますが、リアルタイムでの診療も模索されており、近い将来、実用化されるでしょう。

 歯科医療従事者も、例に漏れず、減少傾向に入り、一つ一つの医療圏が広い福島県においては、遠隔医療も含めた歯科領域へのデジタル化の応用は大いに期待したい医療技術となるでしょう。(県歯科医師会)