田村監督コラム〈22〉WALK TO THE DREAM キャンプを終えて

 

◆いわきFC・田村雄三監督

戦術面、まずは守備構築

 鹿児島県での9日間のキャンプを終え、順調にシーズンに向けて準備が進んでいる。チームは17人が抜け、15人が新加入とおよそ半数が入れ替わった。そんな中、キャンプではコミュニケーションと戦術の二つのことに重点を置いた。

 コミュニケーションを取ることはチームビルディングにおいて最も重要なこと。キャンプ中はできるだけ多くの人とご飯を食べ、さまざまな選手と2人一組で練習するよう選手たちに指示した。

 さらに今季は全選手との面談も実施した。時間は1人約20分。新チームとしてやっていく中で感じていることやそれぞれのポジションで求めていること、プライベートのことなどを聞いて選手のことを知るための時間をさらにつくった。結果的にサッカー以外のところでも自然と距離が縮まっている。寝食を共にするキャンプならではのことで、チームの雰囲気はいい方向に向かっている。

 戦術面では、まずチーム戦術をみんなで理解することから始めた。今季65得点45失点を目標に掲げていることもあって、攻撃を一番にやりたかったが、後ろが全員変わったことで守備を構築することから取り組んだ。練習試合でも勝ち負けは気にせず、日数を重ねながらトライアンドエラーを繰り返して、自分たちのスタイルをしっかりと固めていった。ゴールは決めていないので、さらに肉付けしていきたい。

 開幕まで残り少ない期間ではあるが、選手たちには90分間戦えるゲーム体力をさらにつけ、コンディションを整えていってほしい。ルヴァンカップなどもあってシーズンは長丁場。開幕戦が全てではないが、開幕からスタートダッシュをかけられるようにしていきたいと思う。年間を通してチームの完成度を高め、最後にみんなでいい景色を見たい。

 たむら・ゆうぞう 群馬県出身、中央大卒。2005年に湘南ベルマーレ入団。現役時代のポジションはMF。08年から選手会長を務めた。10年に引退後、湘南強化部を経て15年にいわきFC強化部入り。17~21年に監督を務め、昨季途中から再び指揮を執る。41歳。