富岡町長に現職・宮本皓一氏 新人・山本氏を破り再選果たす

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再選を果たし万歳する宮本氏(中央)

 任期満了に伴う富岡町長選は30日、投票が行われ、即日開票の結果、ともに無所属で、現職の宮本皓一氏(70)=1期=が新人で前町議の山本育男氏(58)を224票差で破り、再選を果たした。任期は8月6日から4年。

 東日本大震災後2度目で、東京電力福島第1原発事故による避難指示が帰還困難区域を除き解除後初の町長選。住民帰還を促すための生活環境づくりや帰還困難区域の再生の在り方、復興の加速化に向けた施策などが争点となった。

 避難指示解除前に一定の生活基盤を整え、復興への足掛かりを築いた宮本氏の実績を有権者が評価、再びかじ取り役を託した。

 2013(平成25)年の前回は、宮本氏が5選を目指した現職に57票差で競り勝った。震災から6年4カ月を経た今回は、有権者が町政の継続により復興の着実な前進を望む一方、人口約1万3300人のうち、町内居住を町に届け出た人は200人に満たず、票差からは現町政に不満を感じている実態も浮かんだ。投票結果について、宮本氏は報道陣に「異を唱える人がいることであり、意見に耳を傾けていきたい」と述べた。

 投票率は52.02%で、前回の68.0%を15.98ポイント下回り過去最低。当日有権者数は1万1316人(男性5648人、女性5668人)。宮本氏への当選証書付与式は31日に町役場で行われる。

 帰還環境づくり信任

 帰還困難区域を除く避難指示解除後初めての富岡町長選は、現職の宮本皓一氏(70)が帰還に向けた環境づくりを着実に進めてきた1期目の実績と町政の継続による復興の加速化を訴え、有権者の信任を得た。

 宮本氏は計約8500人の町民が暮らすいわき、郡山両市を中心に役場支所を一時置いた三春町、大玉村もくまなく回った。多くの町民が仮設住宅を退き、居住地の分散が一層進む中、手堅い組織戦を展開、町議13人中9人の支持を取り付け、後援会青年部と婦人部も票の上積みに奔走した。

 新人で前町議の山本育男氏(58)は若さを前面に「安心して帰還できる環境が整っていない」と現町政を批判。生活サポート補助金制度の創設を公約の目玉に掲げ、町議5期や町商工会長の経験で培った人脈から支持層を拡大、批判票も取り込んで追い上げたが、一歩届かなかった。

◇富岡町長選開票結果(選管最終)
当3,025 宮本 皓一 70 無現
 2,801 山本 育男 58 無新