津波危険性「報告ない」 勝俣元会長が証言、東電強制起訴公判

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 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の第33回公判は30日、東京地裁(永渕健一裁判長)で勝俣恒久元会長(78)の被告人質問が行われた。勝俣元会長は2008(平成20)年2月に、津波高の想定が従来を上回る可能性があるとの報告を受けたかどうかについて「報告はなかった」と証言、武藤栄(68)、武黒一郎(72)両元副社長と同じ見解を示し、証拠採用された元幹部の検察官面前調書の内容を否定した。

 調書で元幹部は、勝俣元会長ら3人が08年2月に津波対策の実施を事実上了承、その後に正式決定したとしているが、勝俣元会長は「(元幹部の)勘違いではないか」と話した。

 勝俣元会長は、自身には原子力や津波対策の専門知識がなく、武藤、武黒両元副社長が本部長を務めた原子力・立地本部に対応を一任していたと繰り返し証言。社長、会長として経営上の重要な判断を仰がれる立場にあったが「事故前に津波リスクの報告は受けなかった」とした。「(本県沖に)大津波は来ないと聞いていたので、問題意識はなかった」とも説明、津波予測の可能性を否定した。

 また09年2月の社内会議で、吉田昌郎元福島第1原発所長(故人)が「14メートル程度の津波が来ると言う人もいる」と発言したとされる点について「懐疑的な口調で、整理した上で必要があれば報告があると考えた」と説明。津波高の想定の根拠となった津波地震に関する政府見解(長期評価)の内容については「事故後まで知らなかった」とした。

 勝俣元会長は公判の冒頭で「会長、社長を務めた者として深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 この日は被害者参加人の代理で福島原発告訴団の弁護士も質問した。冒頭での武黒元副社長への被告人質問で、武黒元副社長は原発事故を巡る自分の責任を改めて否定した。

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