ニーズに対応、広がる活動 福大災害ボランティアセンター

 
ニーズに対応、広がる活動 福大災害ボランティアセンター

仮設住宅の避難住民に「足湯」を提供し、マッサージなども行う学生=桑折町

 福島大災害ボランティアセンターは、2011(平成23)年5月の設立以降、各地の仮設住宅で「足湯」を提供する活動を継続的に行ってきたほか、避難住民の介護予防に向けた活動や健康体操に力を入れている。

 これまでは自主的なボランティア活動が中心だったが、活動が知られてきたことに伴い企業やNPO法人から声が掛かるようになり、キャンプやカヌー教室の手伝いなどもするようになった。

 同センターは一貫して避難者のニーズに合った生活支援に取り組んできた。メンバー登録している学生は約350人。中でも震災時は高校生で、現在は1、2年の学生のボランティアに対する意欲が強いという。同センターゼネラルマネジャーでいずれも4年の菅野(すげの)貴大さん(22)と尾形桃子さん(21)は「高齢の避難者が学生に料理や編み物などを教える教室を開いてみたい」と口をそろえ、避難者が主体となる活動の展開にも意欲をみせている。

 県社協、県内の担い手拡大に期待

 県社会福祉協議会が仮設住宅や借り上げ住宅で避難生活を送る1万411世帯を対象に行った現状調査では、「長期化する避難生活で必要とする支援は」との質問に対し、住民から「孤立防止」との回答が数多く寄せられた。

 避難者が仮設住宅から災害公営住宅などに移り住んだ場合、一度構築した近隣住民との関係が再びばらばらになる恐れがある。そのため県社協は避難者同士のコミュニティーづくりが重要と捉え、避難者のコミュニティーづくりを支援するボランティアを求めている。

 県社協の関靖男地域福祉課長は「避難者同士が助け合う生活をボランティアが側面から支援することが望ましい」と話す。ただ、ボランティアに参加する人は県内よりも県外が多いのが現状。関課長は「(長期にわたる)避難者のコミュニティーづくりではボランティアも身近な人が理想」とし、県内ボランティアの増加に期待している。