震災の教訓を後世に 自然災害驚異、対策や支援の在り方探る

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 被災地では津波や地震の被害軽減に向けハード面を中心とした対策が講じられている。生活再建への支援も進められる中、再び起こり得る自然災害の驚異を前に、被災者の声から住民が求める対策や支援の在り方などを探った。

 相馬・立谷さん、「行政主導」欠かせない

 「堤防を造っただけでは津波対策としては乏しい」。東日本大震災の津波で自宅が全壊した相馬市で理容店を経営する立谷幸一さん(62)は、教訓を後世に伝え続ける必要性を強調した。「100年もすれば今回の地震も忘れられるかもしれない。伝承の方法も含めて行政主導の動きが絶対に欠かせない」との見方だ。

 立谷さんはいち早く同市の内陸部に自宅を兼ねた店舗を再建、震災翌年の2012(平成24)年3月8日に営業を再開した。多大な借金を背負っての再出発だが、前を見据え今もはさみを握り続ける。

 同市は県内で最も早く災害公営住宅の整備計画を完了するなど、住宅再建のスピード感が目立つ。立谷さんは行政への不満はないものの、防災集団移転に関して「(市が14年3月に引き渡しを始めた)分譲地の地価(近隣の約3分の1)がもっと早く示されていれば、より生活再建はしやすかった」と話した。

 白河・渋谷さん、夫奪われ不安消えず

 地震による地滑りで民家が埋まり、13人が犠牲になった白河市葉ノ木平地区。「今も2人の死を受け入れられない」と夫武利さん=当時(53)=と義父丈夫さん=当時(83)=を亡くした渋谷礼子さん(56)は震災復興記念公園として整備された現場を見詰め、つぶやいた。

 斜面と道路を挟んだ場所にあった家は土砂に覆われ、2人の遺体が見つかった。現場は非常用の貯水タンクなどを備える公園として整備され、地滑りの危険性は薄れたが、渋谷さんの心から地滑りへの不安は消えない。「津波だけではなく地滑りで犠牲になった人もいたことを(教訓として)伝えてほしい」と願った。