「花の栽培」初経験、楢葉から出荷 塩井さん、実証栽培に挑戦

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トルコギキョウのハウスで関係者と栽培について意見を交わす塩井さん=楢葉町

 営農再開に向けた実証栽培では、食用の農作物から原発の風評を受けにくい花き栽培に転換して新たな道を歩み出す農業者も出てきた。

 昨年9月に東京電力福島第1原発事故の避難指示が解除された楢葉町。上繁岡地区のビニールハウスの中で同町の農業塩井淑樹(よしき)さん(65)が、ようやく根を張ったトルコギキョウの苗を眺め、周囲に生えた小さな雑草を丁寧に手で摘み取っていた。

 昨年5月に初めて実証栽培に挑戦。県の指導などを受けながらも順調に出荷にこぎ着けた。原発事故の避難前までは野菜やコメなどを育てていたが、花の栽培は初めての経験。町の農業再生に向けて期待も高かった分、「やれるんじゃないか」という手応えも感じたという。

 今年も2月15日に昨年より多い約3000株の苗を定植。大切な温度管理のため避難するいわき市の仮設住宅から、足しげくハウスに通う日々だ。「まだまだ分からないことだらけの素人。市場に認められるだけの経験を積んでいきたい」と前を向く。

 農地復旧いまだ3割

 東日本大震災の津波で本県沿岸部の農地は、原発事故の避難区域を含む約5460ヘクタールが被災した。農林水産省の調べでは、2015(平成27)年7月現在、復旧したのは33.3%の1820ヘクタールにとどまる。

 県によると津波被災地の農地復旧は、農地をまとめる大区画化などと合わせて進められており、避難指示解除区域の農地再生も含め、本格化はこれからという。

 また農地除染の進捗(しんちょく)は、計画面積3万4225ヘクタールに対し、80%の2万7394ヘクタール(15年12月現在)となっている。震災で被災した約1万7200経営体のうち、約1万500経営体(14年3月現在)が営農を再開(一部再開を含む)した。