阿部支配人が印象に残っている「3作品」 震災や原発題材の映画

 

 【ニッポンの嘘  報道写真家 福島菊次郎 90歳】(2012年)
 水俣病などのありさま、そこに目を向けない世間の冷たさのような部分をつかみ出して写真にしたのが福島菊次郎氏で、彼が最後の仕事として選んだのが福島だった。彼の人物像が描かれるとともに、過去に起きた日本の歴史の負の部分を俯瞰(ふかん)する内容。秀逸なドキュメンタリーだ。
 作品は自主上映会かDVDで見ることができる。問い合わせはドキュメンタリージャパンへ。

 【東電テレビ会議 49時間の記録】(2013年)
 3.11以降のやりとりがテレビ会議で記録されており、あの時間、自分はこうしていたとか、一人一人が胸に問い掛けながら見ているので、圧倒的なリアリティーがある。描かれているものは全て現実で、それをそのまま生で出した。料理でいうなら刺し身。下手に主観を入れた作品より説得力があり、衝撃の映画だった。
 作品は自主上映会で見ることができる。問い合わせはOurPlanet―TVへ。

 【日本と原発】(2015年)
 大きな経済案件を手掛けてきた河合弘之弁護士が私費を投じて作った。映画監督でもなければ、映画に関わってもいない弁護士が作った作品で、映画そのものが口頭弁論。彼が出てきて、ホワイトボードになぜ原発がダメなのか、などを書いて論証し、フローチャートで原子力ムラの構造などを説明している。ドラマにされるよりも衝撃。
 作品のDVDが発売中。問い合わせはKプロジェクトへ。