【汚染水処理】100万トンがタンク900基 凍土遮水壁で海側凍結

 

 東京電力福島第1原発事故から6年間で発生した汚染水の量は100万トンを超えた。2日現在、約104万トンが構内に林立する地上タンク約900基に保管されている。タンクの増設スペースには限りがあり、東電は大型のタンクに置き換えるなどして対応している。

 地中に氷の壁を造り、建屋への地下水流入を抑制する汚染水対策「凍土遮水壁」の建屋海側(東側)は、昨年3月末の本格稼働後、約7カ月かけて全面凍結した。しかし地下水が流れ込む建屋山側(西側)は段階的に凍結が進められているため、抑制効果は限定的だ。

 3日には、急激な地下水位の変動に伴うトラブルを回避するため未凍結にしていた山側5カ所のうち、4カ所で凍結が始まった。凍結効果が表れれば、建屋周辺に流れ込む1日当たり地下水量は690トンから120トンまで減る見込み。

 地上タンク群の汚染水のうち、約75万トンは現在の技術では除去できないトリチウム(三重水素)を含んだ水が保管されている。トリチウムは通常の原発でも発生し、基準値を下回れば海に流すことが国際条約で認められている。

 しかし漁業者が本格操業を目指している中、トリチウムを海に放出すれば新たな風評被害を招く恐れがあり、経済産業省の小委員会が社会的な影響を含めて今後の取り扱いを議論している。