「仮設住宅」戸数が半減9382戸 19年1月末現在、再利用が進む

 

 県の仮設住宅は25市町村に1万6800戸が建設されたが、原発事故に伴う避難指示の解除や被災者の生活再建などに伴い徐々に役目を終えている。今年1月末現在では17市町村の9382戸とほぼ半減。木造は市町村などに無償譲渡され、"第二の人生"として再利用が進められている。

 県は震災後、主にリースでプレハブ仮設住宅を整備した。ただ、災害の規模が大きく全てを賄いきれなかったため、残りは再利用を見据えて業者に木造の建設を依頼した。このため仮設住宅はプレハブと木造の2種類に大きく分かれる。2016(平成28)年度には被災者が使い終えた木造仮設住宅を市町村やNPO法人などに引き渡す制度を創設。昨年度から対象を民間企業にも広げ、3年間で計103戸が移住定住に向けて期間限定で滞在できる「お試し住宅」や企業の研修施設などに生まれ変わった。

 再利用は、撤去した場合に発生する産業廃棄物の抑制や解体費用の低減など利点が多い。県建築住宅課の加藤敏史主幹は「本来は処分するが、まだ使える木造はもったいない。震災時に寄せられた支援に対する恩返しもできれば」と願う。県は今後も退去が完了した団地について、受け取り希望者を募集する考えだ。