「全量全袋検査」スタート 福島県産米の安全確保、不安解消へ

 
県内で先駆け二本松市で始まった県産米の全量全袋検査=2012年8月

 消費者、生産者双方の不安解消を図るため、県内で生産された全てのコメについて放射性セシウム濃度を調べる全量全袋検査の取り組みが2012(平成24)年に始まった。出荷前に約36万トンのコメを漏れなく検査する体制構築は至難とされたが、11年に佐藤雄平知事が「安全宣言」した後、検査をすり抜けた基準値超のコメが相次いで見つかり、県が導入に踏み切った。県は、市町村やJA単位で構成する36の地域協議会に米袋のまま放射性セシウム濃度を測定できるベルトコンベヤー式放射線測定器を192台導入した。

 現場からは測定器や人員不足、繁忙期の負担増を不安視する声が上がったが、8月25日の検査開始以降、基準値超のコメを水際で食い止め市場に流通させないという安全確保の効果を発揮した。基準値を上回った米袋は約70袋で、検査は年内でほぼ終了した。