「試験操業」日数や対象魚種限定 福島県沖で1年3カ月ぶり漁

 
ヤナギダコやシライトマキバイなどを相馬市の松川浦漁港に水揚げする漁師=2012年6月

 相馬双葉漁協は本県沿岸で操業日数や規模を限定した試験操業を東京電力福島第1原発事故翌年の2012(平成24)年6月14日に開始した。本県沿岸で1年3カ月ぶりの漁となった。

 対象はそれまでのモニタリング検査で放射性物質が検出されていなかったミズダコ、ヤナギダコ、シライトマキバイの3種。漁船6隻が相馬市の松川浦漁港や相馬港から出港、相馬沖約50キロの水深150メートルの海域で漁獲した計約660キロを水揚げした。

 相馬双葉漁協と県漁連は6月15日に生の状態、加工品いずれも放射性物質が検出されなかったことを発表。この結果を踏まえ、県漁連は水産加工品の販売を伴う同漁協の試験操業の実施を正式に決定した。

 同漁協は同22日に販売を伴う試験操業を行い、相馬沖で取れたタコなどの販売が25日に相馬市のスーパーなどで始まった。本県沖で漁獲された海産物が販売されたのは原発事故後初めて。7月には県外への出荷も始まった。

 県漁連は8月28日に試験操業の対象をキチジやケガニ、ナガバイなど10魚種に拡大する案を正式に決定。同漁協は9月10日の底引き網漁で、追加されたケガニ約330キロとスルメイカ約390キロを水揚げした。