こだわり地ビール注目 田村・ホップジャパン、循環型社会実現へ

 
「ゼロからビールを造るのはなかなかできない」と魅力を明かすホップジャパンの武石さん=田村市都路地区

 田村市都路町のクラフトビール醸造会社「ホップジャパン」は、生ホップを使ったビール造りで注目を集めている。新型コロナウイルスの5類移行で飲食イベントが徐々に増える中、県内外に出向いて自慢のビールをアピールしている。

 原発事故による避難指示が解除された都路地区に可能性を見いだし、2020年からビール醸造をスタート。定番の7種類に加え、楢葉町特産のユズなど県産果実を取り入れた季節限定ビールも手がける。

 ビール造りの中心を担っているのが、醸造責任者の武石翔平さん(33)だ。大量の生ホップを使い、豊富なラインアップの仕込み作業と向き合っており「大変だがやりがいがある」と笑う。

 同社は循環型社会の実現を経営理念の一つに掲げており、原料となるホップや大麦の生産から取り組む。今後は大麦の作付面積を拡大するとともに、大麦を発芽させ、麦芽を製造する装置の導入も進める計画だ。

 製品の質を高めるため、品評会にも出品。今年は国内二大クラフトビール品評会の一つ「インターナショナル・ビアカップ」で黒ビールの「アブクマブラック」が銀賞、摘みたての生ホップだけを使用した「アブクマフレッシュピルスナー」が銅賞を受賞した。

 ビール造りも3年目に入り、武石さんは「生のホップを使ってきた経験が強みになっている」と手応えを感じている。