応援職員が行政対応支える 相馬市、相馬地方広域水道企業団

 

 水道や電気などのライフラインが絶たれた中、災害対応に追われる市町村を支えたのが全国の自治体から派遣された応援職員だった。「災害時に自治体間で支え合うことが重要だ」。石川県能登町で活動した相馬市こども家庭課課長補佐の渡部賢治さん(54)は、実感を込めて語る。

 相馬市と相馬地方広域水道企業団からは応援職員が2人ずつ交代で能登町に入り、計8人が1月26日まで給水支援に携わった。第1陣で現地入りした渡部さんは、町職員が3交代制で勤務し、住民らに24時間対応する姿を目の当たりにした。

 「職員自身も被災していて、疲れがたまっているようだった」と印象を口にする。

 国は被災自治体向けに広域支援の仕組みを用意している。能登町への支援体制では大分、京都、長崎各市など全国から職員が駆け付け、町職員の手が回らない仕事を引き受けていた。

 応援職員も過酷な状況で被災地を支えた。渡部さんは給水車を走らせて町内の浄水場と福祉施設、病院などを1日3~4往復し、夜は町役場会議室の床に寝袋を広げて眠った。渡部さんは「今後も災害が起こらないとは限らない。現地の職員を多くの自治体で支援する仕組みが大切だ」と訴えた。