施設利用者の心をケア 郡山・太田福祉記念会

 
能登半島から避難した利用者に食事を提供する佐藤さん(右)=金沢市

 被災者の中でも高齢者は環境変化の影響が大きく、災害関連死のリスクが高いだけに、介護現場には手厚い支援が欠かせない。

 地震で被災した能登半島の施設から入所者を受け入れている金沢市の特別養護老人ホーム2施設に、太田福祉記念会(郡山市)は1月24日~2月1日、介護福祉士2人を順次派遣した。

 「東日本大震災の経験から、食料を多めに備蓄したり、井戸水などの水源を確保したりしてきたと伝えた」。介護福祉士の佐藤慎吾さん(38)=あたみホーム=は、現地の職員とのやり取りを明かす。

 佐藤さんは、避難を余儀なくされた利用者に強いストレスがあると実感し、心のケアに努めた。能登半島の地元の写真を見せ「早く帰れるといいね」と元気づけたという。

 「日本は災害大国。周りにも派遣の経験を伝えていきたい」と佐藤さん。職場全体で今後の災害への備えに生かしていくつもりだ。

 別の施設で活動した介護福祉士の小池靖さん(48)=玉川ホーム=は、熊本地震でも派遣経験がある。今回の派遣先は水道や電気などの重要設備が機能していたが「場所によって環境や職員への指導法が全く違う。先入観を持たないで業務することが大事だと思った」との認識を示した。