【 金水晶酒造店 】 昔ながらの手仕込み<福島市>

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「袋づり」で大吟醸を搾る作業。昔ながらの手仕込みで、もろみを袋につるして滴るしずくだけを集める=福島市・金水晶酒造店

 福島市唯一の蔵元として、地元産の原料米と、昔ながらの手仕込みにこだわった地域密着型の酒造りに取り組む金水晶酒造店。全国新酒鑑評会で8年連続金賞を受賞するなど全国トップクラスの味と技術を誇る。

 3代目社長の斎藤正一さん(81)=写真・下=は「科学が日々進歩するように、酒も伝統を守りながら時代に合わせ、進歩していかなくてはならない」と話す。社長に就任した約30年前、県内の蔵元に先駆け、当時としては異例だった全商品の糖類無添加に踏み切った。コストは高くついたものの、「コメ本来の味を楽しんでもらいたかった」と胸中を明かす。

 「酒造りは、原材料はもちろん、杜氏(とうじ)の腕も大事」と強調する。もろみを搾るタイミングや水の管理など日本酒はワイン以上に技術の差が出るといわれるが、同市技能功労者にも選ばれた杜氏の佐藤政一さん(68)に全幅の信頼を置く。

 県ブランド認証産品にも指定されている最高級銘柄「金水晶大吟醸」は、コメ選びから精米歩合のバランスなど試行錯誤の末、たどり着いた自慢の一本。酒造好適米「山田錦」を本場の兵庫県から取り寄せ、40%まで精米し、低温発酵で仕込んだ。

 果物を思わせる芳醇(ほうじゅん)な香りと雑味を極限まで抑えた引き締まった飲み口は、飲む人や飲み方を選ばない。「燗(かん)でも常温でも冷やでも、季節に応じて自分の好きな飲み方で飲んでもらっていい」。こう言い切る斎藤さんの表情からは、味への自信がうかがえる。



金水晶酒造店

 地元金山と水晶沢由来
 1895(明治28)年に初代、金次郎が創業した。ブランド名の「金水晶」は、地元で戦前まで金を産出していた金山と、金山から湧き出る名水が注ぐ水晶沢から名付けた。かつて奥州、米沢、相馬街道が交わる宿場町として栄えた福島市松川町の旧街道沿いに昔ながらの蔵を構える。原料を厳選した純米吟醸や純米生貯蔵酒、本醸造、本生原酒など充実したシリーズ商品が根強い人気を集めている。金水晶酒造店(電話)024・567・2011

金水晶酒造店