【 宮泉銘醸 】 味の追求に妥協なし<会津若松市>

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蒸した酒米を放冷機に入れる作業。徹底した衛生管理の中、若い亜蔵人が丁寧に作業を進めていく=会津若松市・宮泉銘醸

 戊辰戦争で日本の歴史が大きく動く舞台となった鶴ケ城。その北側に立つ宮泉銘醸(会津若松市)は、4代目を継いだ社長で杜氏(とうじ)の宮森義弘さん(40)=写真・下=が率いる、業界注目の酒蔵だ。

 酒蔵にありがちな、古く、雑然としたイメージとはかけ離れた建物。黒く塗られた板塀と白壁のマッチングも美しい。県清酒アカデミー12期生の宮森さんの案内で酒造りの様子をのぞくと、進化する酒造りへの情熱と妥協のない作業に驚かされた。

 整然とした酒蔵の中では平均年齢が30代前半という若手蔵人が機敏に動き、手間を惜しまない作業が「自分に厳しく日本酒を造る」という宮森さんの言葉を裏付ける。洗米・浸漬作業ではムラにならないように小さなざるに細かく分け、一つ一つのざるごとに、ずらりと並んだタイマーで厳密に時間を計測しながら同じ作業を何度も繰り返す。

 「こだわるべきことは限りなくある。きりがない努力をいかに積み上げられるかだ」。しぼった酒はすぐ瓶詰めして冷蔵庫に直行。タンク貯蔵はしない。火入れの回数が少ない分、酒の鮮度が保たれ、甘味、うま味、酸味のバランスが取れ、スッとキレのある後味が楽しめるのだという。

 今や看板商品となった「写楽(しゃらく)」は入手困難な酒となっており、「会津宮泉」とともに名を響かせる。「厳しい業界だが、足元を見て底上げをすれば日本酒の将来は明るい」。宮森さんは業界の未来に光を見ており、自身がリードする存在であり続ける覚悟だ。


宮泉銘醸

 会津で一番若い蔵
 会津若松市のシンボル・鶴ケ城の大手門から北に延びる大通り沿いに、古き良き城下町の風情にも溶け込む、落ち着いた雰囲気の蔵を構える。かつては会津藩重臣の大きな屋敷が塀を巡らせていた場所とされ、鶴ケ城からもほど近く、訪れる観光客の姿も目立つ。花春酒造からの分家で、創業は1955(昭和30)年。歴史ある蔵が多い会津の中では一番若い蔵だ。試飲可能。見学は不可。宮泉銘醸(電話)0242・27・0031

宮泉銘醸

 ※ 今回で酒蔵紹介はおわります。