福島県4蔵元5銘柄が最高金賞 ワイングラスでおいしい日本酒

 
「遊佐」「福乃香」のダブル受賞を「励みになる」と喜ぶ佐藤部長

 ワイングラスで飲む日本酒の新たな魅力を発信する「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022」の審査結果が22日発表され、福島県から奥の松酒造(二本松市)など4蔵元の5銘柄が最高金賞に輝いた。

 今回で12年目。全国の292社から5部門に1064点のエントリーがあり、最高金賞に54点、金賞に269点が選ばれた。

 本県の蔵元はメイン部門で榮川酒造(磐梯町)の「榮川特別純米酒」、末廣酒造(会津若松市)の「遥香純米酒」、奥の松酒造の「遊佐純米吟醸」、プレミアム大吟醸部門で人気酒造(二本松市)の「人気一大吟醸」、プレミアム純米部門で奥の松酒造の「奥の松純米吟醸福乃香」が最高金賞を獲得した。

 アワードは酒文化研究所などでつくる実行委員会が世代、業態、国の境界を超えて日本酒を広げることを目指して開催している。最高金賞の表彰式は5月下旬に東京都内で行われる。

 【本県関係の受賞酒】
 ◇メイン部門 ▽最高金賞=榮川特別純米酒(榮川酒造)遥香純米酒(末廣酒造)遊佐純米吟醸(奥の松酒造)▽金賞=人気一ゴールド人気純米大吟醸、人気一黒人気純米吟醸、人気一木桶仕込み吟醸(人気酒造)結芽の奏純米大吟醸(花春酒造)
 ◇スパークリングSAKE部門 ▽金賞=人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸(人気酒造)奥の松純米大吟醸スパークリング(奥の松酒造)
 ◇プレミアム大吟醸部門 ▽最高金賞=人気一大吟醸(人気酒造)▽金賞=大吟醸玄宰(末廣酒造)
 ◇プレミアム純米部門 ▽最高金賞=奥の松純米吟醸福乃香(奥の松酒造)▽金賞=人気一グリーン人気オーガニック純米吟醸、人気一モダンクラシック純米吟醸5(人気酒造)
 ◇プレミアムスパークリングSAKE ▽金賞=人気一あわ酒スパークリング純米大吟醸(人気酒造)

 奥の松酒造、2部門受賞

 奥の松酒造が最高金賞を受賞するのは、2016年に大吟醸酒部門で「奥の松純米大吟醸」が獲得して以来6年ぶりで、2部門での受賞は初。メイン部門の「遊佐純米吟醸」は昨年の金賞からランクアップ、プレミアム純米部門の「奥の松純米吟醸福乃香」は県のオリジナル酒造好適米「福乃香」を使って仕込み、初出品で最高評価を受けた。

 杜氏(とうじ)の殿川慶一さんは「受賞したのはともに香りが高い酒。ワイングラスで飲むのを好む日本酒ファンにとってはちょうど良い酒なのだろう」と推し量る。

 佐藤章第1営業部長は福乃香での受賞に「県オリジナルの酒米で仕込んだ酒が高く評価されたのは、福乃香での仕込みに弾みになるのでは」と話した。