二本松の酒、23年夏ごろGI申請へ 4蔵元一丸!ブランド確立

 
「GI二本松」の取得を目指し、記者会見した(右から)佐藤、斎藤、田崎、太田、遊佐の各氏と大七酒造の奥田恵子品質管理部長

 二本松市で日本酒を製造する全4蔵元は、国税庁の地理的表示(GI)保護制度で、二本松の日本酒の登録を目指す。登録目標は来年春。今後は4蔵元で新組織を創設して準備を進め、日本酒産地「GI二本松」として今夏ごろに登録申請する見通しだ。

 GIは特定地域で作られた地域産品ブランドを守るための制度。大七酒造、奥の松酒造、檜物屋酒造店、人気酒造の4蔵元は、いずれも安達太良山の伏流水で仕込み、風土や伝統など多くの共通点を持っていることから、GI登録を目指す。産地ブランドの確立と消費者へのさらなるアピール材料とする考えだ。

 市も取り組みを支援しており、4蔵元が使う井戸水の水質調査に対する財政支援などを行っている。県酒造組合によると、GI登録に向けては、同様の取り組みが喜多方市や南会津町でも進められているという。

 4蔵元でつくる二本松物産協会清酒部会は27日、二本松市で記者会見し、登録に向けた取り組みを発表した。太田英晴部会長(大七酒造社長)は「会津や浜通りとも違う二本松ならではの特徴をしっかりと打ち出したい。登録された際には、高品質なものを生み出す土地だとアピールできる。他の産業への波及効果も期待している」と話した。

 記者会見には、ふくしまの酒マイスターでソムリエの田崎真也さんらが同席した。田崎さんは、4蔵元の純米酒などを試飲し「口に含んだ瞬間はふくよかな印象だが、味わいの後半は、辛口で力強さが共通して感じられた」と評価し「条件もそろっているので取得できるのではないか」と期待した。記者会見には、奥の松酒造の佐藤章第1営業部長、檜物屋酒造店の斎藤一哉社長、人気酒造の遊佐勇人社長が同席した。