福島一の辛口...笹の川酒造「いち」人気 切れ味良くロックお勧め

 
「『名脇役』として楽しんでほしい」といちをPRする常務の山口敏子さん

 「福島一辛口」を掲げ、笹の川酒造(郡山市)が製造する日本酒「いち」が人気だ。2020年の販売開始から売り上げを伸ばし、22年の売り上げは20年比で約1・3倍に。甘口の日本酒が多いとされる本県の日本酒の中で、ひときわ存在感を放っている。

 いちは、原料となるコメの糖化と発酵を極限まで進め、通常より大幅に辛口に仕上げた日本酒。甘口、辛口の目安となる日本酒度は、平均的な辛口が+10前後といわれる中で、+20以上を実現している。

 開発のきっかけは「雪の松島」で知られる大和蔵酒造(宮城県)で杜氏(とうじ)を務めていた佐々木政利さん(79)を顧問に迎えたこと。同様の酒を製造した経験がある佐々木さんから提案を受けて開発に挑戦、商品化に成功した。

 「ロック推奨、燗(かん)ツケ厳禁。」のキャッチコピーの通り、辛口でアルコール度数も19度と比較的高いため、氷を入れて飲むのをお勧めしている。切れ味が良く油っぽい料理も一緒に楽しめ、日本酒らしい後味も感じられる。

 杜氏で常務の山口敏子さん(63)は「特徴はあるが好みに合わせやすい酒。『名脇役』として楽しんでほしい」と話す。価格は2200円。問い合わせは笹の川酒造(電話024・945・0261)へ。