口を閉じること意識して

 

 前歯の前突 防止の役目

  最近、「以前より前歯が出っ張ってきたような感じがする」と気にされている患者さんがいます。これらの原因は年代により違い、中年から上の方では歯周病が関係しているようです。歯周病は歯を支えている骨が少なくなるため、歯が動きやすくなります。

 これとは別に若年者の場合、アレルギー性鼻炎などにより口呼吸になると、前歯が前突してきます。

 歯並びは馬てい形をしており、形や大きさは骨格的に決められています。しかし、この形は口周りの筋肉(口腔=こうくう=周囲筋)のバランスによっても変化してきます。

 筋肉といってもピンとこないかもしれませんが、唇、ほお、舌は口腔周囲筋の中の一つです。歯並びの内側に舌があり、外側に口唇、ほおがあります。これら口腔周囲筋の内側から押し出す力と外側から包み込む力のバランスの取れた位置に、歯並びが存在します。

 指しゃぶりを長期間行うことや、口呼吸や舌を前方に押し出す癖のある方などは、口腔周囲筋のバランスが崩れて、前歯が前突する原因と考えられます。

 これらの行動を控えることやなるべく口を閉じること、鼻呼吸することを心掛けてください。口を閉じることにより、前歯が前に移動するのを防止する役目があります。

(県歯科医師会)