虫歯になりやすい年齢

 

 生え始めの時期に注意

 大人の歯に比べると、子どもの歯は虫歯になりやすいものです。乳歯や生えたばかりの永久歯は歯の表面が未熟なため、酸に弱く、虫歯になりやすいのです。このため乳歯の生え始めの1〜2歳、永久歯の生え始めの5〜8歳くらいは一生の中で最も虫歯になりやすい時期です。この時期を無事に乗り切ることができれば虫歯ゼロにも手が届くのです。

 歯が生えた直後の口の中の環境にフッ素イオンがあると、酸に非常に強いフルオロアパタイトという結晶ができて、硬いエナメル質になります。フッ素は、お茶や紅茶、魚、海草、みそ、塩にたくさん含まれています。フッ素は歯を強くするだけでなく、細菌や酵素の働きを抑制し細菌が酸を作りにくくする働きを持っています。

 また、年をとると歯肉が少し下がって歯根が露出してきますが、露出した歯根は子どもの歯と同じくらい酸に弱く、虫歯になりやすい部分です。露出したばかりのときは、エナメル質で表面が守られていないので歯が染みます。

 成熟した大人の歯はそう簡単には虫歯にはなりません。大人の歯が虫歯になるきっかけは、生え始めの歯質が弱いときにできることが多いのです。

 虫歯になりやすい部分は①奥歯のかみ合わせの面にある溝②隣り合う歯と歯の間③奥歯の外側にある溝の3カ所です。

 虫歯のない大人の歯にするために、リスクの集中する時期に十分に注意して虫歯ゼロになりましょう。

(県歯科医師会)