がん治療と口腔ケア

 

 怠ると口内炎や歯肉炎も

 がんの治療は大きく分けて3種類あります。

 手術により、がんを取り除く外科療法。抗がん剤などの薬剤を用いて治療する化学療法。放射線を腫瘍に当てることによって小さくする放射線療法。これらは個別に行われることもありますが、多くの場合、それぞれを組み合わせて行なわれています。

 外科療法、特に消化器の手術の場合、口からの食事が制限されるため、口の自浄作用が弱まり、がんが治ったときに、いざ口から食事を取ろうと思うと、思うように取れないこともあります。

 化学療法や放射線療法は、その治療そのものによる粘膜炎などの副作用が出ることが多く、口内炎もまれではありません。

 免疫機能も弱くなることから、歯肉の炎症を起こしやすくなり、口腔(こうくう)ケアを怠ると、重症化してしまいます。

 最近、これらの問題を解決する目的に歯科医師会とがん治療を担当する総合病院などの医療施設が連携することにより、少しでも、これらの副作用が少なくなるような取り組みがなされ、この4月には、そのシステムが構築されました。

 今まで以上に口腔ケアを受けやすい環境が整備されてきたので、がんの治療を受ける患者さんは、事前に、がん治療を担当する先生、または、お近くの歯科医院にご相談ください。 

(県歯科医師会)