摂食機能と歯科治療

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口内環境整えることから

 高齢者、特に介護を必要とする状態の人は、口から物を食べられなくなることがあります。そのような場合、胃に管を通し直接栄養を補給する「経管栄養」などが施されます。まひなどによって身体機能の低下がある場合、どんな方法でも口から摂取できないことも少なくありませんが、ちょっとした工夫で食べられるようになることもあります。

 口から物を取らなくなると、唾液の量が減り、自浄作用が働かなくなることで、口の中が汚れがちになります。口の中が汚れてくると、当然のことながら、口から食事を取るという気持ちも減ってしまいます。適切な口腔(こうくう)ケアを行い、口の中の環境を整えるだけで、口からの食事の意欲が湧いてきます。

 また、「摂食」という言葉を聞くと、「嚥下(えんげ)」を思い浮かべることが多いと思いますが、摂食機能の中で嚥下の部分はほんの一瞬で、むしろ、口の中での作業がほとんどを占めています。その作業とは、咀嚼(そしゃく)(かみ砕く)、食塊(しょっかい)形成(唾液と混ぜてひと塊にする)、咽頭(のど)への送り込みです。歯がなければ咀嚼はできませんから、入れ歯が必要になります。

 特に、食塊形成と送り込みの部分で、上顎の義歯が重要な働きをします。入れ歯はかむためだけに必要なのではなく、その他の機能にも活用されているのです。

 食事の量が減ったり、口からの摂取ができなくなった場合には、歯科医院で相談し、口の中の環境を整えることから始めてみましょう。

(県歯科医師会)