口臭の原因とその予防法

 

 主な原因、歯周病とむし歯 

 口臭は「生理的口臭」と「病的口臭」に大別されますが、今回は病的口臭についてお話をします。

 病的口臭としての主な原因疾患としては、歯周病と大きなむし歯が挙げられます。歯周病原因菌の多くが、歯周ポケットに潜んで、唾液、血液あるいは食べカスに含まれるタンパク質などを分解して口臭を発生します。歯周病はほとんど痛みもなく進行していきます。したがって、何の自覚もないのに家族から口臭を指摘されるようになったら、一度歯科医院を受診して歯周病の検査を受け、治療を受けましょう。

 むし歯が進行して歯にポッカリ開いてしまった大きな穴に食べカスは詰まりやすくなり、このような部分は歯磨きをしてもなかなかうまく磨くことができないため、口腔(こうくう)内の細菌が発酵して口臭を放ちます。

 たとえ一時的にマウスウオッシュなどを使ってニオイが消えたように感じても、原因であるむし歯を治療していなければ焼け石に水です。

 むし歯は口臭の原因となるだけではありません。放置していると、痛いむし歯を無意識にかばうため、反対側の歯ばかりで食べ物をかむようになり、やがてかみ合わせが悪くなります。すると首の骨にゆがみが生じ、頭痛や首痛、肩こり、腰痛、めまい、不眠、イライラなど、体のあちこちにさまざまな症状が出やすくなります。

 心当たりがある方は、ぜひ一度かかりつけの歯医者さんで検診を受け、適切な治療を開始してください。(県歯科医師会)