成人の矯正治療

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 高齢でも全体の矯正可能

 矯正治療は子どもが行うものと思われていましたが、近年は大人でも矯正治療をする人が増加しており、全患者数の約3割というデータがあります。これには歯や口元に対する関心の増大、審美的要求の増加、材料を含む矯正治療技術の進歩などが挙げられます。

 歯は一定の力を持続的に加えられると植立している骨の圧迫側が徐々に吸収し、反対に解放側に新生骨を造成する性質があります。矯正治療はこの生理的作用を利用しているため、成人でも矯正治療は可能となります。

 成人矯正治療の特徴として〈1〉成長・発育による咬(か)み合わせの改善が期待できない半面、成長による治療への阻害がない(歯の移動による矯正治療が主体)〈2〉治療に対する本人の意識が高いため治療がスムーズに進む〈3〉子どもに比べて歯の移動が劣る場合があるため治療期間が少し延びることがある〈4〉歯周病がある場合は、その管理(事前の治療とメンテナンス)をしっかり行う必要がある―などが挙げられます。

 高齢であっても健全な歯周組織が維持されていれば十分に矯正治療は行えますから、口腔(こうくう)全体の矯正治療のほか、部分的な矯正治療や補綴(ほてつ)前処置(より良い状態で部分入れ歯やブリッジ、インプラント埋入を行うために歯を移動する処置)が可能となります。

 長い人生ですから口の中の状態を整え、笑顔で一生を過ごしましょう。(県歯科医師会)