かすむ...「復興」の訴え 参院選、9党首らの首都圏演説ルポ

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 折り返しに入った参院選で、各党首の街頭演説が熱を帯びている。県内では震災や原発事故からの復興について語る各党党首だが、首都圏の演説を取材すると震災復興に触れることはほとんどない。経済問題や憲法問題などにかき消された状況だ。

 記者は報道機関の注目が集まる公示日を除き、党首が首都圏で行った演説を各1回取材、社民党は党首の首都圏での演説がなかったため副党首に替えた。震災復興や原発事故に直接的に言及したのは、生活の党の小沢一郎共同代表だった。

 小沢共同代表は「原発の問題は最近風化して誰も言わなくなった。マスコミも報道しなくなった。しかし、福島の原発の放射能はまだ全然抑え切れておりません」と指摘し、原発事故を機会にエネルギー政策を展開すべきと訴えた。

 直接的ではなく他の話題の中で震災や原発事故に触れたのは自民党と公明党、社民党、新党改革の4党だった。自民党の安倍晋三総裁は自衛隊の役割について語る際に「東日本大震災で昼夜分かたず、自らの危険を顧みず頑張ったのは自衛隊の諸君」と述べた。公明党の山口那津男代表は熊本地震を語る中で「東日本大震災では義援金の差し押さえを禁止する法律があったと聞いているが熊本にはない。なんとかしてください、そういう声を聞いて法律を成立させた」と語った。

 連立政権を組む与党党首2人は、日時と場所は異なるが本県にゆかりがある同じ候補者への応援だった。この候補者は東京電力福島第1原発事故で被災した本県の姿を見て政治家を志したと言っていただけに、その言葉を隣で聞いた両党首からの発言も期待したが、直接の言及はなかった。

 社民党の福島瑞穂副党首は「脱原発を実現する」とだけ述べた。新党改革の荒井広幸代表は、自衛隊について語る中で「熊本、福島原発、そして東北の震災、こんなに献身的な方はいない」と指摘した。

 2013年の参院選、14年の衆院選でも震災復興や原発事故に触れる党首は多くなかったが原発事故を教訓に原子力政策を語る場面があった。政治の現場で震災復興と原発事故の問題は風化してしまったのか、後半戦の訴えに注目したい。