モモの価格が回復傾向に "地道なPR効果"風評払拭へ

 

 本県名産のモモの価格は回復傾向にある。JA新ふくしまの平均取引価格は2010(平成22)年が1キロあたり438円。震災、原発事故が発生した11年は219円と下落したが、12年352円、13年350円と回復してきている。

 同JAの担当者は「放射性物質検査の情報公開など、地道なPRの効果が出始めている」と分析。また、今年もインドネシアなどへの輸出が好調なことから、「昨年並みの価格は維持できる」としている。

 一方で観光農園や直売所の来場者数の回復は、やや鈍いという。福島市の48店でつくる「市観光農園協会」によると果物が旬の時期を迎える6〜11月の来店者数は、10年が約13万2000人だったのに対し、震災後の11年は約3万人に減少。12年約5万人、13年7万8000人と回復してきているが、震災前の約6割にとどまる。

 同市のフルーツライン沿いにある、まるえ観光果樹園は「(今年の来店者数は)昨年とあまり変わらない」という。ただ、今年はモモ狩りなどで、若い世代の客層が戻りつつあることから、「明るい材料はある。口コミなどで、風評被害が少しでも払拭(ふっしょく)されてほしい」と期待を込める。