価格の維持、販路拡大が鍵 あんぽ柿出荷、2年目の課題

 

 あんぽ柿の出荷が再開して2年目となるが依然として課題は多い。JA伊達みらい(伊達市)によると、昨季は生産再開の期待感や他産地の不作も重なり、平均単価は震災前と比べても高値で推移した。しかし今季は主産地の長野、山梨など全国的に豊作の見通しで、本県産も出荷量を増やす計画。震災前の価格を維持できるかどうかは不透明だ。

 また昨季は出荷量が少なかったため出荷先を絞り込んで販売した。昨年まで他県産の干し柿を扱っていた店舗に本県産がどれだけ食い込めるかも課題となる。

 全量検査のために導入した検査機器も機能面で「不十分」と指摘する声がある。検査機器の規格上、出荷形態はパック詰めに限られる。そのため、高値が期待できる1個ずつ包装して化粧箱に入れる贈答用商品や、玉の大きいあんぽ柿は出荷できない。

 価格や出荷量は農家の生産意欲にも影響する。同JAの担当者は「生産を拡大する今年は、どう軌道に乗せていくかが重要。階段を一歩一歩上っていくしかない」と話している。