【双葉】Jヴィレッジで五輪合宿 8町村「復興の動き」加速化

 

 原発事故で住民が避難を強いられるなど甚大な被害を受けた双葉郡は、楢葉町で避難指示が解除されたほか、楢葉、広野両町にまたがる「Jヴィレッジ」を東京五輪のサッカー男女日本代表の事前合宿に活用する方針を示すなど明るい話題も増えてきており、8町村がそれぞれに復興への動きを加速化させている。Jヴィレッジは2019(平成31)年春の全面再開に向けて準備が進む。

 広野町では、5日に公設商業施設「ひろのてらす」がオープンした。楢葉町の仮設商店街「ここなら商店街」は住民や作業員らでにぎわっている。

 富岡町では昨年12月、日本原子力研究開発機構が町内に廃炉国際共同研究センターの付属施設「国際共同研究棟」整備を正式決定。また、「早ければ17年4月の帰還開始」に向けて今秋、公設民営の商業施設を開所する。

 大熊町は復興拠点の町大川原地区に住宅や商業、産業を集約する方針。4月には町事務所を置き、震災後初の役場機能再開を目指している。

 浪江町は来年3月の帰町開始を目指し、交流・情報発信拠点施設整備へ検討を進めている。帰還困難区域を除き、防犯用ゲートや国道沿いの住宅・商店前に設置したバリケードを5月までに全撤去する。

 双葉町は震災で一時途絶えた伝統の「ダルマ市」が12年に復活、16年には「巨大ダルマ引き合戦」が5年ぶりに行われ、町民の古里への思いをつないだ。

 葛尾村は、松本允秀村長が13年に環境関連の危機対応に貢献した個人、団体を表彰する「グリーンスター賞」を日本人で初めて受賞した。
 川内村では「いわなの郷」や「かわうちの湯」といった交流施設が再開した。