「競り」復活!価格上昇に期待 北海道から熊本...広がる流通先

 
震災後初の入札による販売が行われたいわき市の小名浜魚市場=4月3日

 相馬市の松川浦漁港で今春のコウナゴ漁から競りが復活した。地元の相馬双葉漁協は試験操業の開始以降、魚の値段がつかないなどとして競りを休止、価格は同漁協と仲買人組合の相対取引で決められていた。港では競りと入札が行われており、価格の上昇が期待される。同漁協は、まだ価格への影響は見えてこないものの「今後上がっていくと思う」と話した。

 港に水揚げされる魚の流通先は、1割が地元で2~3割が県内、6~7割が県外だ。試験操業の開始当初は地元での販売が主だったが、現在は、北は北海道から西は熊本県近隣まで広がりを見せる。

 いわき市の小名浜魚市場では今春から、小名浜機船底曳網漁協が漁獲した魚介類に限り入札による販売を行っている。いわき市漁協は9月にも、沼之内魚市場で入札を開始する予定で準備を進めている。

 県漁連によると、入札を再開して以降、「全国での流通価格は把握できていない」というものの、仲買業者への聞き取りで「(価格は)他県産とも遜色はない」との報告が上がっている。ただ始まったばかりの「ご祝儀相場」との見方で、「今後の動きを注視していく必要がある」としている。