「桜福姫」純米吟醸2種発売 二本松、独自酒米を地元で仕込む逸品

 
桜福姫の発売をPRする三保市長(左から3人目)と大野さん(同4人目)ら

 二本松市振興公社は、同市東和地域で試験栽培する新品種の酒米で仕込んだオリジナル日本酒「桜福姫」の「純米吟醸生酒」と「スパークリング純米吟醸」を発売した。

 新品種は、東京農工大が開発した「NOKO1号」(仮称)。背丈が高く、米粒が大きいため、精米したコメを使う酒造りに適しているという。今回は東和地域の稲作農家3人が約1・2ヘクタールで栽培し、約3300キロを収穫した。市内の人気酒造で醸造した。

 生酒は、搾りたてのフレッシュ感が残り、爽やかな喉越しが楽しめる。スパークリングは爽やかな甘さが程よく感じられるという。価格は、生酒が720ミリリットル1650円、スパークリングが300ミリリットル630円。同市の安達、ふくしま東和、さくらの郷の各道の駅と安達ケ原ふるさと村、酒販店などで販売している。

 問い合わせは同公社(電話0243・61・3100)へ。

 「地産地消」広めたい

 発表会が3月22日、道の駅安達下り線で開かれ、三保恵一市長が「二本松産の日本酒を多くの人に味わってほしい」とPR。栽培農家の大野達弘さんが「二本松でできた酒米で二本松の酒蔵が醸造した酒を市民が飲む。こんな地産地消文化を広げていきたい」と話した。

 また大野さんは、新品種が「桜福姫」という名称で品種登録の出願中であることと、本年産の生産量について同酒造から13トンを求められていることを明らかにした。同酒造の遊佐勇人社長は「新品種米は安くておいしい酒を造れる可能性が高い。仕込み量を増やしてデータを収集し、酒米として適しているかをしっかりと見極めたい」と語った。