入れ歯の効用

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 欠かせない"人工臓器"

 国民の2割、約2500万人が入れ歯を作ったことがあるという日本人。今後さらに高齢化することを考えれば、入れ歯人口はますます増加し、入れ歯の役割もさらに大きくなると思われます。

 エジプトのギザで発掘された金の針金で結ばれた2本の大臼歯。これが5000年近く前の世界最古の入れ歯といわれています。長い間、入れ歯はカツラと同じような容ぼうを整える装飾具に過ぎませんでした。

 口を動かしても外れず、会話やものをかんだりできる入れ歯が誕生したのは、日本では16世紀半ば、欧米では19世紀になってからのことです。その後、あごの運動の研究や材料の改良が進み、入れ歯は装飾具から失われた口腔(こうくう)機能を回復する"人工臓器"へと進化していきました。

 抜けた歯をそのままにしておくと、さまざまな弊害が起こってきます。個人差はありますが、半年から1年で歯は簡単に動きます。支えがなくなった両隣の歯が倒れ、同時にかみ合わせる歯がなくなることで、残された上下の対の歯が伸びてきてしまいます。

 さらに歯が少なくなると、残った歯に大きな負担がかかり、寿命を縮めてしまうほか、かめないからと柔らかいものばかりを食べていると、あごの骨や筋肉が衰えて顔ぼうが変わったり、かむ回数が減ることで唾液(だえき)が減少し、口の中の殺菌効果が弱まったり、口臭が発生するなど、さまざまな障害が出てくるのです。

 また、よくかむことは、あごを動かすことで脳の血流量が増加し、脳が活性化するので、認知症の防止にも役立つことがわかってきました。

 入れ歯は、残った歯を大切にし、健康で楽しい生活を送るために欠かせない人工臓器です。入れ歯に必要なメンテナンスとケアは、残った歯を長く使えるように保つことになるのです。

(県歯科医師会)