ナポレオンは歯周病だった?

 

 気付かぬうちに重度に...

 少し前の話になりますが、イギリスのあるオークションにフランス皇帝ナポレオン1世のものとされる1本の歯が出品されたことがありました。

 鑑定人によると、ナポレオンがワーテルローの戦いで敗れた後の1816年に歯痛を患い、翌17年に流刑先のセントヘレナ島で抜かれた歯であるとのことです。

 写真を見てみましたが、特に大きな虫歯は見当たらず、犬歯と思われる長い根はそっくりしており、先の方には黒い歯石がたくさん付いていました。歯科医が見れば、それは重度の歯周病の歯と分かります。

 ナポレオンも晩年は、壊血病であるとか、ヒ素中毒だったのではないかとか、いろいろ説はあるようですが、おそらく、歯周病にも悩まされていたのではないでしょうか。

 よく「おれは昔からあまり虫歯にならない体質で歯科にも行ったことがないんだ」という声も聞きます。確かに、虫歯はないのかもしれませんが、歯周病が進行している場合もあります。歯周病はある程度進行しないと症状が現れないこともあり、厄介な病気です。

 また、重度であるほど、治療期間が長くなってしまうようですが、最近ではそれでも頑張って通われる方も多くなってきました。

 心配な方は一度歯科で相談されてはいかがでしょうか。

(県歯科医師会)