「歯を失う前に」 定期検診で歯周病予防

 

 「歯ぐきが赤く腫れて出血がある」。それは歯肉炎のサインです。歯周病は歯肉炎から始まり、炎症が慢性化すると歯を支える骨が溶け、歯が抜ける病気です。歯と歯ぐきの間には深さ約1~2ミリの溝があり、そこに歯垢(しこう)(細菌のかたまり)がたまると歯ぐきが腫れたり、口の中がネバネバしたりしてきます。

 症状が進行してこの溝が深くなり、約6ミリ以上の深さの歯周ポケットになると歯が前後左右、上下に揺れ始め、ある日突然、歯を支えられなくなり抜け落ちてしまうまで進行します。歯は互いに支え合い、かみ合わせが合うことによって機能しています。歯が1本抜けただけと思っていても、歯全体のバランスが狂って連鎖的に抜けてしまうこともあります。

 隣り合っていた歯が傾いて磨きにくい場所ができると、そこへ歯垢がたまり、歯周病にかかりやすくなります。このように悪循環を引き起こして、歯を失うことにつながります。そうなる前に歯周病のリスクを知り、予防することが大切です。

 歯磨きによるセルフケアだけでなく、定期的に歯科で検診を受けて、歯垢と歯石を除去されることをお勧めします。また、バランスの取れた食事や十分な睡眠など生活習慣の改善を心掛けることに加え、歯科による定期的なメンテナンスを習慣づけて歯周病から歯と歯ぐきを守りましょう。

 (県歯科医師会)