「スポーツドリンク」 糖分多く、むし歯の一因に

 

 水分や塩分、糖分、ミネラルを補給する目的でスポーツドリンクを飲んでいる方は多数いらっしゃるのではないでしょうか。または子どもの健康に良いと信じて疑わず、率先して飲ませている親御さんもいらっしゃいます。水分補給にはいろいろな考え方があり、少量を頻繁に(15分おきに約150ミリリットル)飲むことを推奨する考え方もあれば、喉が渇いたという自然な感覚を信頼して水分補給をすべきとする考え方もあります。

 水分の摂取方法はさておき、問題なのはスポーツドリンクに入っている糖分量です。一般的なスポーツドリンク500ミリリットルボトル1本あたり約20グラムもの砂糖(角砂糖5個相当)が含まれるとされ、スポーツドリンクを飲むことで口の中はpH(水素イオン指数)3・3程度に下がるとされています。口の中はpH5・5以下になると歯の表面のエナメル質が溶け始めると言われていますので、継続的にこのような環境になることはむし歯への第一歩となります。

 とはいえ、水分補給として水を飲むことは大切です。スポーツドリンクやジュースなどのpHが低い飲み物を飲んだ後は、うがいや歯磨きをして口の中のpHを中性に戻してあげましょう。歯磨きの際はフッ素化合物含有濃度の高い歯磨き粉を使用することで一度溶けたエナメル質の再石灰化が期待できますので使用をお勧めします。

 (県歯科医師会)