「歯周病の原因」 菌が組織破壊、炎症に

 

 虫歯と歯周病の原因はそれぞれ、虫歯菌(ミュータンス菌)と歯周病菌です。虫歯菌の多くは空気を好む好気性菌が、歯周病菌の多くは空気を嫌う嫌気性菌が検出されます。歯磨きが不十分だと、汚れの中で菌が繁殖、プラークを形成し酸を放出するため虫歯になり、歯周組織を破壊していくと歯周病になります。

 歯周組織が破壊されると歯に付いていた歯肉がはがれ、歯と歯肉の間に溝「歯周ポケット」ができます。歯周ポケットが深くなると嫌気性菌が活性化。毒素を出して骨を溶かすため、さらに炎症を起こし症状が悪化します。骨が溶けると支えがなくなった歯はぐらつき、うみや血が出たり、腫れたりするようになります。初期の状態だと痛みはなく、自分で気づくのは難しいです。歯肉が腫れるのは、体の中で防衛反応が働いているからです。血液から菌をやっつけようとする白血球などの物質を放出するため、血管が太く、薄くて破れやすくなり、出血しやすくなります。

 歯周病がひどくなると糖尿病が悪化したり、血液がドロドロになるため、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしやすくなります。また歯周病菌がアルツハイマー病の脳に働いて悪化、肝機能にも影響することが分かってきています。決して口の中だけの病気ではないのです。早速かかりつけ歯科医に検診に行ってみてはいかがでしょう。

(県歯科医師会)