【復興の道標・識者の意見】県国際交流員・ナオミオオヤ氏 ALTが情報発信

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ナオミ・オオヤ氏

 「福島は危険」といった偏見など、本県に向けられる外部からのゆがんだ視線について考えた「復興の道標 不条理との闘い」。連載を踏まえた識者の意見を紹介する。

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 2015(平成27)年4月に福島市に来た。(私は)カナダ・バンクーバー出身で、日系4世と中国系3世のハーフ。日本で働きたいと国際交流員に応募したら福島を指定された。まったく縁がなかったので、情報を集めようとインターネットで「fukushima」を検索したのだが、負のイメージについての情報にしか行き当たらず、途中で調べるのをやめてしまった。

 実際に来たら、福島を非常に気に入った。しかし来る前は不安があった。海外に向けた英語での情報発信がまだまだ足りていない。

 海外メディアが「福島」を正確に伝えているのかという問題もある。福島第1原発2号機の原子炉格納容器内にロボットを入れて行われた調査について、カナダの新聞がウェブサイトに掲載した記事を見た。記事自体に間違いはなかったが、見出しは「ロボットが壊れた」と強調。調査では成果もあったはずだが、見出しだけを読む人には負のイメージしか残さない。ただでさえ福島が誤解されて伝わりやすい状況なので、読み手にどのような印象を与えるか、慎重になってほしい。

 海外の人に福島の今を知ってもらうには、実際に来てもらうことが一番だが、限界はある。私は、県内で語学指導に当たる外国語指導助手(ALT)による情報発信が大事だと考える。現在県内に約150人おり、彼らに海外の親族、知人へ情報発信してもらうのは地道だが、効果的だ。行政は、県内ALT向けの情報発信にも取り組んでほしい。