【富岡町・小野 耕一さん】 「草木染」を"新名物"に

 

 富岡町社会福祉協議会が郡山市に設立した「おだがいさま工房きらめきズ」の代表として草木染「富岡ふるさとこころ染」の制作に携わる。藍染めはもちろん、色とりどりの素材を使った草木染を楽しみ、「のめり込むとやみつきになる」と笑顔を見せる。

 桜の名所として知られる夜の森地区から同市の借り上げ住宅に移り、妻(68)と2人暮らし。同工房で初めて草木染に触れたというが、東京の研修会に参加するなど技術向上に余念がない。今後は織りの体験教室も検討しているといい「郡山の人とも一緒に取り組みたい」と地域に溶け込んだ活動を模索する。

 自宅は帰還困難区域。「いつ帰還できるか分からないが、戻ってからブランドとして売り出し、富岡の産業発展につなげたい」と前を向く。「みんなでおしゃべりをしながら楽しく過ごしている」。草木染を生きがいに、古里へ戻る日を心待ちにしている。