「歯磨き粉」 効果的に使用、薬効発揮

 

 「どんな歯磨き粉を使ったらいいですか?」

 患者さんからのよくある質問のひとつです。

 歯磨き粉(歯磨剤(しまざい))は着色を落とす研磨剤、泡立ちを加える発泡剤、爽快感や香りを付ける香味剤、適度の粘りを与える粘結剤、保存料などの成分からできています。これに薬効成分が加わり、さまざまな歯磨剤になります。

 「むし歯予防」に特化したものはフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムといった、いわゆる「フッ素」が配合されています。「歯肉炎・歯周病予防」の歯磨剤は、グリチルリチン酸ジカリウムなどの炎症を抑える成分が配合されて市販されています。

 歯がしみるのを防ぐ「知覚過敏抑制」の歯磨剤には乳酸アルミニウムや硝酸カリウムなどが配合され、そのほか天然の生薬由来成分を配合したものや、特殊な乳酸菌を配合したものもあります。

 注意していただきたいことは、どんな薬効成分が含まれていても効果的な使用法(使用後の飲食を控える時間など)が行われていなかったり、歯垢(しこう)が除去されていなければ、むし歯や歯周病の予防にはならないということです。

 せっかくの薬効成分の効果を発揮する意味でも、効果的な方法で使用し、歯ブラシの毛先がきちんと歯に当たっているか、磨き残しがないかに注意して、丁寧な歯磨きを心掛けてください。

 (県歯科医師会)