【激動・衆院選ふくしま(上)】政権選択に現実味 秘密裏練った合流劇

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総合選対本部の初会合で、前原氏のあいさつを聞く玄葉本部長代行(右から4人目)=26日午後

 衆院解散で「10月10日公示―22日投開票」で行われる総選挙。野党第1党の民進党と新党「希望の党」による電撃的な合流が野党再編の呼び水となり、「安倍1強」とも称された自公連立政権との対決構図が強まる。国民の負託を受けるのはどちらか―。高揚感や緊張感、そして不安も交えながらうねる政治の激流の行方を探る。(文中敬称略)

 「政権選択の受け皿となる政党づくりに一定の役割を果たすことができた」。衆院が解散した28日朝、民進党総合選挙対策本部長代行の玄葉光一郎は、議員会館の自室で感慨深げに語った。都知事から新党の顔に躍り出た小池百合子と、民進党代表の前原誠司を結び付けたキーマンは玄葉だった。

 党代表選を制した前原は解散総選挙に備え、本来なら国政選挙がスタートしてから発足する総合選挙対策本部を常設機関として設置した。本部長代行は原則、党代表代行を充てるが、前原は玄葉の起用にこだわった。なぜなら、玄葉は前原にとって従来の野党共闘路線とは異なる「非自民、非共産」の保守勢力結集を志す同志だったからだ。

 他方、夏の都議選で自民に圧倒的勝利を収めた小池を中心とした政治グループは、次なるステップとして国政政党の結成を目指した。小池の代弁者として認知されていた若狭勝、民進党を離党した細野豪志らによる新党結成の動きが活発化したことで、表面上は民進党にとって苦境のように見えた。しかし水面下では、玄葉を民進党の実質的な責任者と見抜いた小池側から別ルートでの接触が続いていた。玄葉は「政局となる枠組みができそうだ」と手応えを感じていた。

 小池新党はどうなるのか―。世間の耳目を集める中で開かれた26日の民進党の総合選挙対策本部の初会合。あいさつに立つ前原、その姿を見る玄葉に悲壮感はなかった。前日の25日、小池が新党設立の動きを「いったんリセットする」と述べ、自ら関わる考えを示していたためだ。玄葉には「こちらも変わる、民進も変わるべきだ」との小池―前原ラインを主流と判断する小池のシグナルに見えた。

 玄葉は一歩踏み込んだ関係構築を前原に進言。実質的な合流に向けて前原と小池、連合会長の神津里季生が協議する環境づくりを主導した。民進党内でも驚きを持って迎えられた前原の合流提案は秘密裏に、そしてガラス細工のような慎重さで練り上げられていた。玄葉は「この過程は歴史的に検証されることになるだろう」と語った。