【衆院選・記者座談会】自民が参院選の雪辱 民進系は「王国」意地示す

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有権者の審判が下った衆院選。県民の声は候補者に届いたのか=22日、福島市のパルセいいざか

 自民党が圧勝し、安倍政権の継続が決まった第48回衆院選。県内5小選挙区では自民が3議席を確保、小選挙区で敗れた2候補も比例で復活当選し、念願の5議席獲得を達成した。取材を担当した記者が選挙戦を振り返った。(敬称略)

  全国的には「自民大勝」「希望惨敗」「立憲躍進」という三つの言葉に象徴される衆院選となった。県内小選挙区は、自民が野党勢力に3勝2敗と勝ち越した。昨夏の参院選で、党公認の現職閣僚が野党共闘候補に敗れた雪辱を果たした形となった。

  自民は2区で根本匠、5区で吉野正芳が圧勝し、閣僚経験者の貫禄を示した。8選を果たした根本は経済政策「アベノミクス」の成果や元復興相としての実績などを前面に出し、経済県都・郡山市の有権者の信任を得た。強固な後援会組織をフル稼働し、序盤から安定した戦いだった。復興相の吉野は、9月のいわき市長選で党いわき総支部が分裂した影響も危惧されたが、自民支持層が最後まで崩れなかった。公示直前、長年党公認争いを続けた元衆院議員の坂本剛二が、引退の意向を示したことも自民支持層がまとまった要因ではないか。

  最終盤までもつれた4区は、菅家一郎が大接戦を制した。菅家が議席を奪ったことが結果として、3区で敗れた上杉謙太郎が比例東北で自民5議席目を得て比例復活することにつながった。自民は、菅家の勝利と上杉の議席獲得で党勢拡大に向けた自信を深めたように思える。

  4区は会津地域と、編入された西郷村が選挙区となった。3度目の対決となった菅家と希望の小熊慎司は、いずれの市町村でも激しい「票取り合戦」を繰り広げ、最終的には大票田・会津若松市の票差が勝敗を分けた。前回、小熊に僅差で敗れた菅家は「どぶ板選挙」で票の上積みを図った。最終盤に人気弁士の小泉進次郎が会津若松市に入り、菅家支持を訴えたことも効果的だった。

  希望の党代表の小池百合子(東京都知事)の「排除の論理」への批判から同党が急激に失速する中、県内小選挙区では民進系無所属が2議席を死守したほか、4区で競り負けた小熊も比例復活を果たし、かつての「民主王国」の意地を示した。

  選挙で勝つためには「地盤」「看板」「鞄(かばん)」の「3バン」が必要だといわれるが、自民候補と互角、または互角以上に戦うだけの「地盤」があったということではないか。9選した3区の玄葉光一郎は、初当選から24年間で築き上げた集票組織が今回の選挙も堅固だった。4月の田村市長選で支援した現職が落選したことの危機感が組織の引き締めにつながった。

  1区では、無所属の金子恵美が自民の亀岡偉民に競り勝った。希望と民進の合流の動きの中でも無所属を選択したことで、選対組織が固まったように見えた。

  民進、共産、社民各県組織の支援を受けた野党共闘の枠組みが最後まで効力を発揮した。1区で共産が公示直前に公認候補の擁立を取り下げたことで、金子陣営に勢いがついた。元首相の野田佳彦や立憲民主党代表の枝野幸男らが勝手連的に、街頭演説で金子の支持を訴えた姿が印象に残った。

  今回の衆院選を踏まえ、今後の県政界の勢力図は変わるのだろうか。自民が県議会などでこれまで以上に主導権を握ることになれば、来年の県知事選にも一定の影響が出る可能性がある。

  県議会(定数58)で最大会派の自民党県議団は所属議員が27人と過半数を割っており、県内5小選挙区の勢力図を含めても自民と野党勢力とが拮抗(きっこう)した情勢は続くとみられる。復興施策の論争など互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、県民生活の向上へ尽力してほしい。(取材班)

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