「戻りたい」2割弱 浪江・双葉・大熊・富岡の避難者を調査

 
避難解除1年、6割帰還

帰還住民の利便性向上に一役買っている「Domo(ど〜も)古道店」=2月26日、田村市都路町

 復興庁が昨年8〜10月に行った避難区域からの避難者の意向調査では、福島第1原発が立地または同原発に隣接する浪江、双葉、大熊、富岡4町で「(避難元に)戻りたい」と答えた住民は11.9〜17.6%で、全体の2割に満たない。一方で「戻らないと決めている」は48.4〜57.9%でおよそ半分を占めた。政府は帰還に向けた政策の拡充を進めるが、「戻りたい」の回答は福島第1原発がある双葉、大熊で一昨年の調査に比べやや増加傾向にあるものの、浪江、富岡では横ばい状態となっている。

 「まだ判断がつかない」との回答は24.6〜30.7%で依然高い割合を占め、帰還判断の材料としては各町とも「道路や鉄道など社会基盤の復旧」「放射線量の低下や除染成果の状況」などの回答が多くなっている。

 帰還困難区域が大半を占める双葉、大熊に比べ、帰還可能となる時期が早くなるとみられる浪江、富岡では「どの程度の住民が戻るのか」を判断材料とすると回答した住民が5割を超えている。

 避難解除1年、6割帰還 

 【田村市都路地区】昨年4月に東京電力福島第1原発から20キロ圏内の避難指示が解除された田村市都路地区は、まもなく解除から1年を迎える。

 20キロ圏内地域は昨年11月30日現在で53世帯133人が帰還。解除地域の住民登録者に対する割合は39%。地区全体(932世帯2679人)では656世帯1565人が戻り、住民登録者の58%となっている。同地区の古道小では、再開当初は6割が同市船引町などの避難先から通学していたが、現在は6割が都路地区の自宅から通っている。

 地区内では、昨年4月に公設商業施設「Domo(ど〜も)」2店舗がオープン。1月には同地区で初の24時間営業コンビニエンスストアがオープンした。新年度は公的賃貸住宅の建設も予定されており、市は住民帰還を進める方針だ。