【災害がれき処理】 避難区域・11市町村の工程見直し発表

 

 原発事故の影響で遅れている避難区域の災害がれきの処理は完了が見通せない。同区域のがれき処理を担う環境省は、避難区域11市町村のがれき処理計画の工程見直しを発表、来年3月までに完了するとした目標を田村市を除き断念した。残る市町村のうち飯舘、川内両村は来年度中に仮設焼却施設を稼働、2〜3年後に処理を完了する見通しを示したが、他市町村は完了見通しを示せていない。

 こうした中で同省は、仮置き場に搬入前のがれきを一時集積所で分別する作業に着手した。仮置き場の完成を待つ間にがれきを分別することで、遅れが目立つがれき処理の加速化を狙っている。手順を入れ替えてのがれき処理は、南相馬市小高区浦尻で初めて始まった。同市の旧警戒区域で唯一完成している同区塚原の仮置き場で搬入後にがれきを分別したが「予想以上に時間がかかった」(同省)。作業を効率化するため、残りの仮置き場は、完成を待つ間に分別する手法に変更した。

 同省によると、仮置き場への搬入前にがれきを分別することで3〜4カ月ほど処理の工程が短縮できる。同市では小高区蛯沢に仮設焼却炉を建設し、2015(平成27)年度にもがれきの焼却を始める。この手法は10月に仮設焼却施設と仮置き場の建設計画を明らかにした浪江町でも採用する。同町では、14年半ばの搬入開始を目指し、11月20日には搬入前のがれきの分別を開始した。