【避難解除後の賠償】 紛争審、期間「原則1年間」で合意

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 東京電力福島第1原発事故の損害賠償指針を検討する原子力損害賠償紛争審査会は、避難指示解除後の精神的損害賠償の期間を「原則1年間」とすることで合意した。年内公表を目指す中間指針第4次追補に盛り込む方針だが、避難者からは「1年で帰還できるのか」と、不安の声も上がっている。

 審査会が合意した「原則1年間」の賠償期間は、来春をめどに避難指示解除の協議が進む田村市都路地区の状況を踏まえて示された。背景には避難指示解除は、政府と対象市町村、住民の間で十分な協議が行われ、生活に必要なインフラの整備も整った段階で行われるとの考え方がある。ただ、各地域で避難区域の状況は異なるため、審査会の能見善久会長は「非常に住民が多い地区などでは1年6カ月や2年などと(期間を)延ばす場合はある」との考え方も示した。個別の地域ごとに賠償期間を柔軟に判断するとの考え方も指針に明記する方針だ。

 住民の避難が長期化する中で避難区域内の住宅や生活インフラは損傷が進んでおり、避難区域によって復旧に相当な時間が必要となっている。避難者の中には「(解除後)1年での帰還は難しい」との声も多く、賠償が終わる不安から避難指示の解除自体が先延ばしされ、住民が求める早期の避難指示解除が実現できない可能性も指摘されている。また、地域ごとに「柔軟な判断」を行うとしている避難指示解除後の賠償期間については、明確な基準などが示されている訳ではなく今後の課題となりそうだ。