経験談の共有が大切 投稿サイトも使い発信

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経験談の共有が大切 投稿サイトも使い発信

息子を名乗る男からの電話を受けた男性。電話でのやりとりが公開され、「被害者や不審電話を受けた人は経験を伝えて」と訴える

 「(現金の受け渡しは)今日中じゃなきゃ駄目」「(受け取りに来る男に)書類だと言って渡してくれないかな」。息子を名乗る男が、警察に録音されていると気付かず、電話の会話の中で話した言葉だ。白河署が6月に公開した。白河市の自営業小貫幸一(71)=仮名=と男のやりとりからは、なりすまし詐欺の手口を読み取ることができる。

 ■電話の音声公開

 捜査関係者は「今日中」と現金を受け取る期限を区切るのを「緊急性を強調してせかすことで被害者の判断力を低下させるのが狙い」と指摘する。「書類だ」と言って渡すよう要求するのは、現金を受け取りに来た男が警察に摘発された際、「現金だとは知らなかった」と言い逃れの材料にするためとみられるという。

 同署の佐藤光也刑事課長(41)は、電話の音声を公開した理由を「男との会話の不自然さを客観的に聞いてもらい、被害防止に役立ててもらうため」と説明する。実際のやりとりを耳で聞いておくことで、だまされる可能性を少しでも低くするのが狙いだ。

 小貫は、3月から4月にかけて不審電話を受けた。「音声を公開したい」との同署からの要請に「ほかの人の役に立ち、被害者が減るなら、と協力することを決めた」と明かす。そして、こう続けた。「被害に遭ってしまった人、詐欺につながる電話を受けた人は、声を大にして経験を伝えなきゃいけない。地域で情報を共有するのが大事」

 県警も「被害者や不審電話を受けた人の相手とのやりとりや経験談は何よりの防止策となる」との考えを示す。警察側の対策に合わせて繰り出す犯行グループの新たな手口や、詐欺につながるとみられる不審電話の発生情報の発信を強化していく構えだ。

 ■いかに見てもらうか

 5月から短文投稿サイト「ツイッター」に「福島県警察安全・安心情報」の名称で、不審電話の発生や、なりすまし詐欺の手口などを発信しているのもその一環。ツイッターへの投稿を管理する県警生活安全企画課の坂詰佳宣指導官(54)は「ツイッターへの登録は、まだ1700件超。被害防止のためには、いかに多くの人に見てもらい、情報を拡散するかが課題」と話す。

 白河署が公開した音声は、福島民友新聞社のホームページ(http://www.minyu‐net.com)で聞くことができる。県警のツイッター閲覧はインターネットやスマートフォンの閲覧アプリで「福島県警察安全・安心情報」を検索し、登録することで可能になる。