会津3蔵元「日本酒ジェラート」完成! 酒米練り込み絶妙食感

 
大友さんを前に、ジェラートを試食する室井市長(右)

 会津若松市の農産物を使って6次化商品を開発・販売する「ハタケカイギ」は、会津の3蔵元と連携し「日本酒ライスジェラート」を開発した。純米酒や純米吟醸酒を0.9%混ぜ込んで各蔵元の味や香りの特徴を引き出した。24日に東京・秋葉原で開かれる第5回全国ふるさと甲子園で全国デビューする。今後も銘柄を増やしシリーズ化する方針で、全国新酒鑑評会7連覇を支えた会津清酒を新たな形で発信する。

 今回デビューするのは、鶴乃江酒造(会津若松市)の「会津中将」、高橋庄作酒造店(同)の「会津娘」、峰の雪酒造場(喜多方市)の「大和屋善内」の3銘柄。会津中将と大和屋善内は純米吟醸酒、会津娘は純米酒を使用。食感に変化をつけるため、各蔵元が使っている酒米も練り込んだ。

 開発は1年がかりだった。各蔵元を交えて打ち合わせや試作を繰り返し、クリーミーな食感の中に酒米の粒が絶妙なアクセントになるジェラートに仕上がった。日本酒のジェラートは酒かすを使うのが一般的だが、それだと味わいが均一化するため、酒を直接混ぜ込んだ。試食したある蔵元の杜氏(とうじ)から「酒米の粒が仕込み前に試食する酒米と同じような味」とお墨付きを得た。

 価格や販売先は未定だが、全国ふるさと甲子園での感触も踏まえながら今後詳細を詰めていく。

 ハタケカイギ代表の大友佑樹さん(35)は22日、会津若松市役所に室井照平市長を表敬訪問し、完成を報告した。大友さんは「蔵元ごとの特徴を出すのに苦労したが、味も香りも違いが分かるジェラートができた。会津清酒のアピールにもつながるよう、販売方法を考えたい」と意欲を見せている。

 「ふるさと甲子園」でデビュー

 日本酒ライスジェラートのデビューの場となる全国ふるさと甲子園は、東京では食べられない「ご当地グルメ」や話題の「ロケ地」を紹介し、「行きたいまちナンバーワン」を決めるイベント。今年は55地域が参加予定だ。

 本県からは日本酒ライスジェラートをはじめ、周防正行監督の最新映画「カツベン!」を紹介する会津若松市(市、会津若松フィルムコミッション、あいづ食の陣実行委員会)と、金山町三更地区周辺の「霧幻峡」がロケ地となった映画「ある船頭の話」などを紹介する会津17市町村(極上の会津プロジェクト協議会)が参加する。市観光大使の元バレーボール日本代表大林素子さんも応援に加わり、会津の魅力をPRする。